善光寺は飛鳥時代に創建され、徳川家康から寺領千石の寄進を受けるなど、
永い歴史を通して信州・長野市の象徴として信仰を集めてきた古刹(こさつ)です。
本物件は、こうした伝統を映す表参道に面し、まなざしを集める角地というシンボリックなポジションにあります。
CONCEPT
“「長野」駅徒歩3分” “善光寺表参道” “角地”という立地条件から、
長野市中心街の新たなシンボルとして認めてもらえるデザインを目指しました。
この地の歴史風土を感じさせる佇まいを与え、地域活性化の役割を果たす機能も実現しています。
善光寺表参道沿いのファサードは、この地の街中で見かける土壁や門に使われている縦格子をモチーフに、天然木の縦桟を用いたカーテンウォールや木調ルーバー等でデザインしました。さらに、上部の住宅部分に雨樋を兼ねたマリオンをリズミカルに配し、その奥にガラスやコンクリート、住空間などが多層的に見えるデザインとしました。
駅から善光寺方面へと参道を歩いてくると最初に見える南面ファサードには、パンチングスクリーンパネルやガラスをランダムに配置。手すりには上層部と下層部で透過度の異なるガラスを採用し、プライバシーに配慮するとともに眺望を享受できる設計としました。
1階にスーパーマーケット「西友」とフラワーショップ「千曲園芸」が入り、2階にもテナントスペースを確保することで、長野市による中心市街地活性化プランのひとつであるプロジェクトの役割を果たしました。また、店舗部分と住宅部分の間に緑の緩衝帯を設けて上下を分節し基壇部のボリュームを抑えるとともに、1~3階には木調タイルを用いて高層建築の圧迫感を軽減しました。
地元の人々に便利な生活施設として利用されながら、善光寺表参道の美しいランドマークとなる造形を目指しました。
エントランス上部の壁面には、地層のように大判タイルを横貼りにして、この地に積み重ねられてきた時の流れを印象づけるデザインにしました。さらにアプローチの床・壁には、自然が永い歳月をかけて育んだ重厚な風合いを感じさせる石調タイルを用いるなど、時間の積層を意匠のテーマとしました。
木調ルーバーの縦格子を風除室とそれに続くエレベーターホールに設置。長野らしい自然の風合いをイメージさせるとともに、エントランス空間の伸びやかな広がりを強調しました。
3階の住宅共用部となるホールには、北アルプスの山並みと雪の結晶をモチーフに、信州組子の代表的な文様のひとつである麻の葉模様で表現し、この地の風景をシンボリックに採り入れました。床面にはエントランスと同様の石調タイルを採用し、自然の風合いと時の流れを感じさせる統一感で空間をデザインしています。
住民同士の交流を育むオーナーズラウンジには、自然豊かな長野らしい木の温もりや風合いを感じていただくために、マンション住戸では使用しづらい「無垢材」をふんだんに採用。飾り棚や収納も木調の建具で統一しました。
日本有数の麻の産地として知られる長野。友人などが宿泊するゲストルームのベッドサイドには、麻の葉をイメージした組子細工を採用することで長野の自然を表現した寛ぎの空間を実現しました。